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芯地作りと前身頃の準備

今回は芯地作りです。台芯、白バス芯、胸バス芯、フェルトを重ねてハ刺しで留めていきます。私どもでは、内側を大きく作り、外側の芯にハリを持たせる方法で作っていきます。考え方としては身返しを表地よりも大きく作ることに似ています。内側(体側)を小さく作ると外側の生地は引っ張られてシワが寄ってしまいます。そんなわけで写真のように持って縫うことにより、机側に来るパーツに外回り分量を入れているわけです。ハ刺しし終わると内側の生地はぼこぼこと盛り上がってきます。これを丁寧にアイロンワークで馴染ませていきます。

肩の部分に切り込みが入っていることがわかると思います。これは肩グセをとっているんです。人の体は前の肩の部分がせり出していて、この部分にゆとりがないと肩が当たって痛くなり、着心地が悪くなります。芯地ではこのようにしっかりと開いて肩先にゆとりを作ります。一方、表地にはこのように大胆にダーツを取ることはできないので、アイロンワークで対処することになります。

こちらは前身頃のダーツを縫った後のアイロンワークです。欲しいシルエットの位置までダーツの分量を動かしていきます。生地の光沢感が綺麗ですね。こちらはイギリスの生地です。

インスタでいくつか動画を公開しています。よかったらそちらもご覧ください。

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