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ジャケット生地裁断

フィッティングが終わり、パターンが決まったところで、いよいよ生地裁断です。写真のように型入れをするのが定石です。写真手前の右側に配置している前身頃と左側に配置している後身頃、この間の隙間で身返しを裁断します。身返しはこの時点では粗断ちです。ちょっと写真では分かりにくいですが、パターンの作り方、特に縫い代の設定の仕方に通常の既成服の生産では行わない工夫があります。少しだけ説明しますが。例えば前身頃の前端、襟ぐり、裾は縫い代なしでパターンをカットしています。一方肩、アームホール、脇には縫い代1センチが入っています。これは、印をつけるのに便利なようにこのようにしているのです。この型紙を使って、チャコで生地に印を入れ、その上でさらに必要な縫い代を設定して、生地をカットするのです。裁断したら、すぐに切り躾を入れます。前端、襟ぐりや裾はこの後の工程で印が必要になります。その印を入れやすいようにパターンを作成しておくのです。ちょっとしたことにもいろいろな工夫があって、この後の作業に影響してきます。なかなか一度で全てを把握するのは難しいですが、分かってくると感心します。長年によって作り上げられてきたテイラーの方法論というのはとてもシステマティックだと思います。

今回は表地と裏地の裁断を行いました。次は芯地の裁断と、芯作りです。右側の写真のように複数の毛芯をハ刺しで立体的に縫い合わせて、アイロンワークを加えて造形していきます。ここから立体感が大事な作業が続いていきます。どうぞご期待ください。

instagramで実際の作業の様子を動画で配信しています。ぜひご覧ください。Studio Kakitaのinstagram

ジャケット講習は一年に一度の募集ですが、来年度以降受講を希望される方は通年でご予約承っております。また、講習の見学も可能ですので、興味のある方はぜひお問い合わせください。また、7月開講のシャツ講習は現在受講生募集中です。